織田信長の家来、アフリカ出身の黒人侍 YASUKE がブラジルのサンバカーニバルで優勝！

この記事のタイトルを見て「意味がわからない」という人が多いでのはないでしょうか？

ブラジルの真夏の祭典といえばカーニバル！ 世界的にも リオのカーニバル は有名ですね。

実はカーニバルはリオ（Rio de Janeiro）だけではなく、ブラジル各地で行われているのです。

筆者が暮らすサンパウロでも大きなサンバカーニバルが行われています。

そして今年優勝したサンバチームがテーマに掲げていたのが、なんと！日本の黒人侍 Yasuke なのです。

さてここでは、そのテーマとされていた黒人侍 Yasuke と、サンパウロのサンバカーニバルについて紹介していきますね。

日本史上初のアフリカ出身 黒人侍「弥助」

ところで、みなさんは日本にアフリカ出身の侍がいたことをご存知でしょうか？

筆者はサンバカーニバルの様子をニュースで見て、初めてアフリカ出身の侍が日本にいたことを知りました。

自国のことなのに知らないことがいっぱい…！

恥ずかしながら、ブラジルへ移住してからそう思うことが多々あります（汗）

弥助（やすけ、生没年不詳）は、戦国時代の日本に渡来した黒人。

宣教師の護衛、従者、または奴隷として戦国大名・織田信長に謁見し、気に入られたことで彼の家臣として召し抱えられた。

引用：Wikipedia

大航海時代が始まり、ポルトガル人によってもたらされた鉄砲。そして南蛮貿易。

この頃の日本は戦国時代の真っ只中でしたね。

戦国時代、ポルトガルやスペインなどヨーロッパ人が日本を訪れるようになり、アフリカ出身の者たちも、従者または奴隷として連れてこられていた。

引用：Wikipedia

貿易としてやりとりされていたのは物だけでなく、人身売買も行われていたんですね…。

そしてまさにこの時期に "黒人侍" は日本にやってきたということになるようです。

その後はググるとすぐ出てきますが、"黒人侍" は織田信長に気に入られて武士の身分と「弥助」の名を与えられたそう。

信長はその弥助を殿にしようとも考えていたそうなので、もしそうなっていたら歴史や世界情勢（?）が大きく変わっていたかもしれませんね。

Yasuke をテーマに掲げたサンバチーム Mocidade Alegre が優勝！

さて、サンパウロのカーニバル。

今や煌びやかな衣装を纏って踊る「サンバカーニバル」が世界的に有名ですが、カーニバルは元々はカトリックの行事の一つです。

キリスト教諸派のカトリックで、復活祭(イースター)の前に、「四旬節」と言われる節制の期間に入るということもあり、カーニバルは、“四旬節が始まる前に行う祭り”として定着したようです。

引用元：SORTE Brazil Magazine

今年のサンバカーニバルは "Mocidade Alegre" という名門サンバチームが優勝！

彼らがテーマとして掲げたのは、冒頭から紹介している黒人侍 Yasuke だったわけです。

ブラジル人が日本の歴史をテーマにカーニバルを構成してサンバを踊るとは、なんとも興味深い光景ではないでしょうか。

１６世紀にキリスト教神父が日本に連れて行ったアフリカ人奴隷が日本で侍に取り立てられて「弥助」となった歴史的逸話をもとに、多彩なアフリカ文化表現も融合した異色のパレードとなった。

引用元：ブラジル日報

ブラジルにはアフリカにルーツを持つ人もたくさん住んでいます。

それ故、サンバやカポエイラを始めとするアフリカ起源の文化がブラジルの文化の一部ともなっているんですね！

今回のサンバカーニバル、Mocidade Alegre の優勝を機に「Yasukeって誰？何者？」という現地ブラジルの記事がいくつも出ていましたよ。

Netflixで配信！YASUKE - ヤスケ -

この黒人侍 弥助をモチーフとした物語が Netflix で2021年より配信されています。

みなさんはご存知でしたか？ もう見ましたか？

「YASUKE －ヤスケ－」は、アメリカのラション・トーマス監督によって制作された歴史ファンタジー。

アフリカ出身者として初めて織田信長に仕えた実在の武士・弥助の半生を描いた物語です。

引用元：novice

まとめ

先にも書いた通り、自国の文化や歴史など知らないことがたくさんあるということに度々気付かされます。

今回サンバカーニバルをきっかけに弥助という侍、日本の歴史を（少しだけ）知ることができました。

きっと日本にいたらきっかけもなく、知らないままだったでしょう…。

まぁきっかけは何にせよ、学べる環境にあるのは本当に有難いですね！