日本からブラジルへと移住し、日本とは違う環境になかなか慣れずにいました。今ではその違いをポジティブに考えることもできますが、移住当時はそんな余裕もなく…愚痴や不満でいっぱいでした。
今回はその不満の一つであった「ブラジルのお風呂事情」について紹介していきます。日本の「当たり前」が当たり前じゃない!そう思ったことの一つでもあります。
蛇口「Fマーク」が意味するものは
日本からブラジルへ移住してまもない頃、洗面所である疑問が湧きました。
蛇口のこの「F」ってなんの略?
しばらく使っていて気づきましたが、これは Fresco(フレスコ)の頭文字。Frescoは「冷たい」を意味するポルトガル語です。
そう、冷たいのです。お湯は出ません。よく考えたらキッチンも水用の蛇口しかなく、でもシャワーはお湯が出るのでそれまで不思議に思うことはありませんでした。(シャワーでお湯が出なかったら泣けるけど…。)
給湯設備がない?
でも、ふと…
我が家って給湯設備がないような…?
我が家はブラジルの一般庶民が暮らすようなごくごく普通のマンションです。エントランスにはセキュリティや管理人の方がいたり、共有スペースにはサロンやプール、ジムやプレイルームがあったりと充実しています。ただ、これらの施設が備わっているからといって決してお金持ちというわけではなく、ブラジルではこのようなマンションが一般的というから驚きです。
しかし、我が家にはガス給湯設備はありません。不思議に思って家中を探しましたが見つからず、ブラジル人である主人に聞いてみました。
うちって給湯器なくない? これってブラジルで一般的なこと?
うちはガスじゃなくて電気で給湯してるよー!
電気給湯は決して珍しいわけではないようですが、日本と同じようにガス給湯の家もあるようです。我が家はシャワーも電気給湯。イマドキな感じで言うと「オール電化」というところでしょうが、シャレたイメージではないですね。
「自殺シャワー」とは一体?
実際にシャワーの写真を見てもらうと同じことを思うと思います。壁から電気の配線を引っ張ってシャワーに繋げる。なんだか理科の実験でやったような…これとこれを繋ぐと電気が流れる…コイルがなんちゃら…的な。
じゃーん!これです。
「水回りに電気を使うなんて…怖っ!」って思いますよね。このタイプのシャワーは水回りに電気なんて…自殺でもするのかよ?!と言われたのが所以らしく、巷で自殺シャワー(Suicide Shower)と呼ばれているようです。
それに「壁の穴そのままじゃん(空いてるじゃん)」とお思いでしょうが、こんなの全然普通です。日本だったらで確実に欠陥住宅と呼ばれるでしょうが、まぁ慣れって怖い!笑 ブラジルがどうこうというより、これはうちの主人の性格でしょうね。
そして、それに慣れてしまう嫁(わたし)
日本式シャワーの取り付け
以前はホースが付いていないプールやビーチに備え付けられているようなシャワーでしたが、それにはどうしても慣れることができず。苦で苦で仕方なかった記憶が…。
ブラジルへ移住する前に何度かブラジルに遊びに来ていました。ただ、このプールシャワーが嫌で嫌で仕方なかったんです。主人が日本に遊びに来たときに一緒に日本式のシャワーヘッドを買いに行ったことがあります。
その後、主人はブラジルへ帰国し「シャワー変えたよ!ホース付きだよー♫」と連絡をくれていたので移住前からシャワーに関しては安心しきっていたのですが…
んーちょっと違う!何かが違う…確かにホースは付いているのに!
我が家の「自殺シャワー」はこちら
ホースの先端にある突起で ON ⇄ OFF を切り替え、シャワーを出したり止めたりします。今や愛着すら湧か…ないですが(笑)これだけでもプールシャワーとは快適さが大きく異なるので良しとします。
さらには10分続けて出すと停電するというシステム。電気が流れすぎて火事になるのを防止しているのかも?!という説もありますが、本当かどうかわかりません。初めは何度も停電させていましたが、今では節水の基本である「流すときだけ出す!洗うときにはすかさず止める」を忠実に守って停電を回避しています。
これに関しては、うちのマンションだけかもしれないけどね。
ちなみに、このタイプのシャワーはホームセンターなどでもよく見かけます。はじめは日本のシャワーと比べて不便しか感じませんでしたが、こちらブラジルではごくごく一般的なようですね。
我が家の「自殺シャワー」の愚痴りポイント(笑)
- ホースが取って付けたかのよう(写真の通り)
- 温度調整は【冷たい・ぬるめ・熱め】の3段階
- 水圧が弱い(強くするとぬるくなる)
- デザインがおしゃれじゃない(写真の通り)
- 10分出し続けると停電する
愚痴りに加えるとしたら、ブラジルは電気代が高いこと。
現地の人にとっても電気代は悩みの一つみたい。
高級マンションや高級ホテルなど、または生活水準が異なればもちろん事情も異なるでしょう。でも現地の一般家庭、少なくとも我が家のシャワーはこんな感じです。日本のシャワーとは違うけど案外慣れるものですよ(慣れるしかない、という説も。)