日本から遠く離れたブラジルへ移住を決め、いざ引っ越し。引っ越し荷物は船便を使って送りましたが、なんと4箱中 2箱が税関で引っかかってしました…。
それに対して異議申し立てをしたことや受け取りのためのCorreiosからの通知書のこと、課税についてなど、悲しさと苛立ちも混じった(笑)お話に、少し長くなりますがどうぞお付き合いください。
【国際郵便】関税大国ブラジル
国際郵便の制度は国によって異なりますが、ブラジルは国外から届く荷物をたとえ個人間の郵便物であっても「輸入品」とみなします。そして税関で課税対象となった場合には、発送時に送り状に記入する申請額に対して一律60%が課税として課せられることになるのです。これが関税大国と言われる所以。

ネット記事やSNSのコミュニティ等で「課税対象にならない(なりにくいであろう)方法」が載っていたので参考にしてみましたが、「結局は運任せ!」ということだそう。そりゃそうですよね。笑
ただ、根拠のない自信が生まれるわけです。日々たくさんの荷物が運び込まれる中、まさか自分の荷物がその対象になるわけないでしょ!と。笑

でもこのすぐ後、見事にその自信を失うことに…。
【非課税対象】Correiosの通知書受領〜荷物の受け取りまで
日本からブラジルへ移住するの際、2回に分けて引越し荷物を発送。第一弾は1箱、第二弾として3箱を送りました。
実は送るときも一苦労したんです…。それに関してはこちら⬇︎

日本からブラジルまで船便で送ったので、発送から受け取りまで3〜4ヶ月はかかるだろうとみていましたが意外と早く、発送して2ヶ月半でブラジルのCorreios(郵便局)から自宅に通知書が届きました。
この通知書は課税ありでもなしでも、荷物ひとつに付き一通届きます。

なので、これは荷物3つ分ということ。
ただ、通知書には荷物番号くらいしか情報はなく、課税対象になっているかどうかや現在荷物がどこにあるかなどは「Correiosのホームページから確認するように!」と書かれています。

Correiosのホームページはこちら。利用するにはユーザー登録が必要です。
荷物を送るときから「課税対象にだけはならないように!」とひどく心配していましたが、ホームページを確認したところ、Serviços Postais(配送手数料)のみの請求でした。
関税ナシだ!バンザーイ!と喜んだのも束の間、どうやら以前はこのServiços Postais自体がなかったようで。ちょうど私が移住したタイミング、2019年8月27日から配送システムが変わったのだそう。タイミング悪し…。
今年の8月27日からはシステムが変わり、全ての国際小荷物は配送料金15レアルを払わなくてはならなくなった。
引用元:ニッケイ新聞(https://www.nikkeyshimbun.jp/2018/181114-23brasil.html?fbclid=IwAR04T08Acy-2t_LHtaHrS9W_zw4ZPYVZ0X1dIXO-nT6qaoxouAvxcQjFaQw)
全文はこちら。
でも、おかしい!通知書が届いたのが 7月31日。荷物を受け取ったのが 8月14日。いずれも配送システム変更の施行前のはずなのに、請求された私って一体…。この適当な感じが、いかにもブラジルって感じ。
それでも「課税対象にならなかっただけ良しとしよう!」とポジティブに考えることにして、Serviços PostaisのR$15 [日本円換算で450円くらい] を支払い、その後、2週間程度で荷物を受け取ることができました。

支払いはネット決済したよ!
どーん!

届いた荷物は写真のとおり見事にボロボロでしたが、中に入れた物も何も紛失することなく届いてくれたことに感謝。ポジティブにね!笑
【課税対象】課税額に唖然…。
日本から発送した引っ越し荷物の残り3箱分の通知書も、1箱目を受け取ってからすぐに届きました。発送してから約1ヶ月で通知が届いたので「めっちゃ早っ!」とテンションが上がったところで、一気にドン引き…。3箱中、2箱も課税対象になってしまいました。

課けられた税金がハンパなく高い…。唖然…。

その額を日本円換算しても十分に高いのに、現地の物価で考えるとかなりの高額です。内、ひとつは R$700,79 [約21,000円]、もうひとつは R$1.181,67 [約35,400円]。完全に意味不明な金額…。
ここから3度にわたる異議申し立てが始まるのです!!
【課税対象】Correiosに対する異議申し立て
まぁ「異議申し立て」といっても、Correiosのホームページ内でのやりとりです。当時は今よりポルトガル語もおぼつかなく、しかも「負けたらいかん!」みたいな状況で適当なことは書けないと思ったので、そこはすべてブラジル人である主人にお願いしました。

まず、Corriosから要請されたもの
- ・日本の居住証明
- メモ:ブラジルの手続きで住居証明が必要な場合は、日本でいうところの「住民票」は必要ではなく、「公共料金の領収書」を使用することが多いです。
諸々Correios対応をお願いしていた主人から

日本の公共料金の領収書、持ってない?
と聞かれましたが、領収書なんて移住に伴う大掃除ですべて捨てていたのでどうしたものかと…。でも、なんだか領収書じゃなくても「住所」と「日付」が記載された書類であれば良さそうだったので(たぶん)、「これで良いのかな??」と疑問を持ちつつも『病院から貰った診断書』と『眼鏡を作ったときの視力検査表』を(ポルトガル語翻訳せずに)提出しました。
翻訳に関しては、予め翻訳して提出したところで、そもそもこの書類がNGであれば翻訳代がもったいないなーと思ったので(翻訳代もバカにならない。)もしCorreiosから要請があったら翻訳依頼をかけようと思っていました。

実は念のため、移住前に日本で住民票を取得して持ってきていましたが、主人に

領収書、はよ!
と言われたもんだから、もう領収書のことしか頭になく。住民票の存在なんてすっかりと忘れていました。
それから数日後、Correiosのホームページを確認するも納得のいく返答はもらえず、荷物も課税対象のままだったのでもう一度問い合わせ。

で、これを二度繰り返し…。
2回目の申し立てを経て、なんと一箱は課税対象から解除されることに!! Serviços Postais(配達手数料)R$15を支払って、一週間程度で荷物を受け取ることができました。
どどーん!

これまたボロボロでしたが(笑)おそらく開けられたわけではなく、Correiosによるテープ補強でした。「課税がなくなるなら言ってみるもんだな〜!」なんて感心しつつ、まだまだ課税対象となっているもう1箱分を再度、三度目の申し立て。

実はここまでで、3ヶ月が経過してるよ。
ただ、三度目がだめだったら残念すぎるけど、諦めてアホみたいに高い課税を払おうと思っていました。でも、次にホームページを確認したときには、申し立てに対する返答もないまま荷物が日本へ送り返されていることが表示されていたのです。唖然。。
【課税対象】日本へ返送された荷物の受け取り
残念ながら受け取ることができないまま、私の「引っ越し」荷物は日本へと送り返されてしまったわけですが、この荷物を受け取る際にお金(返送料)が請求されるかどうか、当時は不明でした。
勝手に送り返しておいて請求なんてしないでほしいなと思っていましたが、「万が一請求されたら建て替えておいてね…。」と悲しいお願いを家族にしておきました。

でも残念ながら、請求されたみたい…。
【知っておいてほしい】荷物にかけられた課税は誰が支払うのか
今回、自分で経験するまで知らなかったし、もしかしたらご存知ない方も多いのでは?と思ってこちらに残すことに。ギフトを贈る方は要注意です!

国際郵便を送るとき
- ・発送時は元払い - 荷物を送る人が送料を払う。
- ・万が一、送った荷物が課税対象になってしまった場合は、受け取る人(宛先に記入した受取人)が支払わなければいけない。
今回の私の場合は「荷物の差出人」も「受取人」も自分だったので、「関税の支払い義務」も自分でした。
例えば、日本からブラジルの(海外の)どなたかにギフトを贈って、もしそのギフトが課税対象になってしまったら…。相手には申し訳ないですが、関税はギフトの「受取人」が支払わなければいけません。さらに言えば、荷物はServiços Postais(配達手数料)や関税を払わないと配達してくれません。もしくは郵便局に直接払いに行って、自分で持ち帰るかのどちらかです。

支払いを逃れることはできないの。まして、ギフトであればなおさらね。

また、万が一「課税対象になった場合」でも、その情報は荷物の「差出人」には通知されません。日本国内での郵便にもある「配達完了通知」というお知らせの機能は、国際郵便を利用するときにも有効です。発送時に希望を出しておけば、配達が完了したことのみを伝えるメールが日本の郵便局から差出人宛てに届きます。
ただし、これは送った荷物が「課税対象になったかどうか」という情報は含まれていません。課税に関してはブラジル管轄になるので、日本の郵便局からは何も情報を拾えないと言うことです。
【もしも】送った荷物が課税対象になってしまったら
課税対象になってしまった場合は最初にも書きましたが、通常は送り状に記入(申告)した額の60%の課税がかけられるようです。でも私の荷物は申告額の60%計算では全くもって弾き出ない額だったんです…。

どうやって計算したらあの額が出るのよ…。
中古と言えど、きれいに使っていたために「新品」と見做されてしまったのか、はたまた電化製品も入れていたのでそれが引っかかってしまったのか。ただ、電化製品を入れた荷物であっても課税対象にならなかったものもあったので、余計に課税基準がわかりません。荷物の中に様々なアイテムが入っていたとしても、どれが課税の対象になったかは通知されず、ただ「課税対象」とだけ。

荷物を受け取るまで随分と時間がかかってしまいましたが、結果的に日本から送った電化製品(プリンター・ラミネーター・電子ポット・ミニ掃除機)はすべて課税をかけられることなく受け取ることができました。本当にラッキーだったと思います!
ちなみに、日本へ送り返されてしまった荷物の中身は本やテキストがメイン。「本は課税対象にならないんじゃ?!」と思いましたが、対象とされた理由はもしかしたら『初等教育用の書籍でポルトガル語で書かれていないもの』が入っていたからかもしれません。(日本語指導用のテキストを何冊も入れていました。)

でも、たとえ禁制品であっても課税を払えばOKになるって、なんだか中途半端なルールだね。
【備忘録】引っ越し荷物にかかった送料や課税など
今回、国際郵便で送った荷物に関するあれこれです。
荷物1 | 荷物2 | 荷物3 | 荷物4 | |
---|---|---|---|---|
発送時の送料 / 荷物の重量 | 12,550円 28Kg | 10,100円 21kg | 10,450円 22kg | 12,550円 28kg |
発送日 (日本で発送手配をした日) | 2018/5/19 | 2018/6/23 | 2018/6/23 | 2018/6/23 |
Correiosへの 配達手数料の支払い | 2018/8/1 | 2018/8/22 | 2018/10/18 | - |
荷物受取り日 | 2018/8/14 | 2018/8/28 | 2018/10/25 | (返送日:2018/11/3) |
課税 | なし | なし | R$700,79 [約21,000円] 2回の異議申し立て後、解消 | R$1.181,67 [約35,400円] 3回の異議申し立ても虚しく日本へ返送される(関税は支払わず) |
*ブラジルのCorreiosへの配達手数料(Serviços Postais)は1つにつき R$15 [約450円]
まとめ
SNSなどでも禁制品や様々なルール、投稿者ご本人の体験談などもたくさん目にしましたが、情報ソースを確認することができなかったので、ここでは私の実体験とそれに絡むもののみを載せました。
これからブラジルへ来られる方へのアドバイスとしては、公共料金の領収書(住所と名前、日付が西暦で書かれているもの)を念のため持ってくると良いかもしれません。お役に立たなかったとしても、紙っぺら1枚なので邪魔にもなりませんから。
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