日本のニュースなどでも時々耳にする「ブラジルの貧民街:ファベーラ」。
2016年のリオ五輪での「ファベーラ出身の選手が!スラム街出身の選手が!柔道で金メダル!」という報道も記憶に新しいです。
ここではそんなファベーラに迷い込んでしまいヒヤヒヤした出来事と、それにまつわることを書いていきます。(注:記事内には差別的と思われる言葉もあえて書いています。)
そもそも「ファベーラ」とは
日本にも貧富の差や格差というものはありますが、おそらく比にならないほどブラジルはその差が大きいのではないかと思います。
タイトルにもあるファベーラ然り、路上で生活している人や物乞い(ものごい)をしている人もよく見かけます。
ファベーラとは?
ファヴェーラ(ファヴェラ、葡: favela)は、ブラジルにおいてスラムや貧民街を指す言葉。ブラジルのほぼすべての大都市および中規模都市の郊外には、不法居住者の建てた小屋の並ぶファヴェーラや、既存の町がスラム化したファヴェーラが存在する。
引用元:Wikipedia
山頂にそびえ立つ巨大なキリスト像、コパカバーナやイパネマのビーチ、サンバカーニバルでも有名なリオ・デ・ジャネイロ。
そんな華やかな印象とは裏腹に、リオ・デ・ジャネイロは大きなファベーラがあることでも有名です。
しかし大なり小なり規模は様々ですが、ファベーラはブラジルのあちらこちらに点在しています。
私が住んでいるサンパウロの町にももちろん(?)あります。
初めて見たときは「テレビの中の世界」というイメージもあって、とても衝撃的でした。
現代にもこんなに貧しい生活をしている人がいるのかと…。
無知な自分に反省。。
*イントロで書いたようなリオ五輪、当時のニュース記事です。
「ファベーラ」に迷い込んだ時のこと
サンパウロの中心街から1時間半程車を走らせ、休暇を楽しみに行ったときのこと。
主人は生まれも育ちもサンパウロのブラジル人ですが、やはり1時間半も離れた見知らぬ土地に行けば道にも迷うわけで…。
そう、迷い込んでしまったのはファベーラ…。
自宅近くにも小さなファベーラはあるので、車では何度も通ったことがありますが、この日迷い込んだのは比較的大きめのファベーラ。
そして道路が一方通行のため、なかなか大通りに戻ることができませんでした。
サンパウロは一方通行の道路がとっても多いよ。
直線距離は近いのに遠回りしなきゃいけないことがしばしば。
ファベーラという場所の先入観もあるでしょうが、そこにいる人たちの身なりや態度、それらの雰囲気からやはり"恐怖"を感じてしまいました。
ブラジルでは少なからず「日本人(日系人)は金持ち」というイメージがあるので、「(こちらが)日本人だから」という意識もあったかもしれません。
ただ、主人曰く「彼らはファベーラ内では窃盗をしたり、襲ってきたりはしない。」「するなら大通りに出てやる。」とのこと。
そういった掟がファベーラ内にはあるようで、掟破りをしたらそこのドンに怒られるとかなんとか…。
とはいえ、一刻も早くここから抜け出したいもの。
なかなか抜け出すことができなく、正直主人もヒヤヒヤしたそうです(苦笑)
「ファベーラ」は差別用語?
ここまで何度も「ファベーラ」という言葉を使ってきましたが、この言葉には差別的な要素が含まれていると主人から教わりました。
Favela(ファベーラ)ではなく、Comunidade(コムニダージ)という言葉を使ったほうが良いとのこと。
英語の "Community" と同じで「コミュニティ、地域(社会)」という意味ですから、差別的な意味は含まれません。
たぶん感覚的には日本語でいうところの「乞食(こじき)」や「浮浪者」、「路上生活者」「ホームレス」というようなニュアンスの違いになるのではないでしょうか。
実際には「ファベーラ」って言う人もたくさんいるけど、「コムニダージ」って言ったほうが "教養がある人みたい"って言われたよ。
ブラジルでは日本で暮らしていたら想像できないレベルで(かつての私も想像できませんでしたが)貧困層の方々を見かけます。
新型コロナのパンデミックが始まって以降、更にひどくなったように感じます。
巷には「ファベーラツアー(観光ツアー)」なるものも存在しますが、少し考えさせられますね。一個人の意見ですが。
だって、なりたくて貧乏になったわけじゃないよね…。そこに住みたくて住んでるわけでもないでしょ…?
まとめ
今回、迷子をきっかけに「Comunidade(コムニダージ)」について知ることができました。
俗にいう若者言葉やスラングの類もそうですが、そのような言葉(現代の使い方)は辞書で調べても載っていません。
終わりなきポルトガル語学習中の身ですが、それでも聞いた人が嫌な気持ちにならないような言葉や表現を選んでいけるようになりたいです。
単なる「(外国語としての)言語」ではなく、現地での生活に必要な「言葉」を学んでいきたいものですね。
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