ブラジルにおけるアジア人差別について
日本から遠く離れたブラジル・サンパウロへと移住して3年。ブラジル生活に慣れ始めてきた頃に新型コロナウイルスによるパンデミックが始まりました。
実はそれまで、日本人(日本にルーツを持つ日系人も含む)に対する差別はあまり聞きませんでした。
移民船に乗ってブラジルへ渡った多くの日本人(いわゆる移民, 日系1世=日本人)の努力や勤勉さ、誠実さなどから信頼が買われ、ブラジル経済の発展にも大きく影響を与えたので、ブラジルにおける日本人は「差別」ではなく「称賛」されるというイメージが一般的にあります。
パンデミック以降は多くの国で「アジア人差別」が増えたことをニュースなどを通じて知ることになりましたが、ここブラジルでも同じ。
中国人と間違われ、日本人も被害に(ブラジル・サンパウロ)
外出自粛が始まった20年3月下旬、サンパウロの中心部に住む駐在員の間で「『この中国人め!』とつばをはかれた」「タクシーから乗車拒否された」などの嫌なうわさが流れた。
引用元:JIJI.COM
私たち日本人には、日本人・中国人・韓国人とを見分けることはできるでしょう。しかし、ブラジル人には一括りに「アジア人」とされるわけです。それはブラジルだけではないかもしれませんね。
私もアジア人しか見分けることができないし、そう考えれば当然なのかもしれないけどね。
しかし、移住したばかりの頃(つまりパンデミック前)スーパーのレジで後ろに並んでいたアジア系ではないご年配夫婦に「この中国人がっ!なんちゃらかんちゃら!」と罵り気味に何かを言われたことがあります。
大人しく並んでいただけなので、彼らが怒るようなことはしていないと思いますが…。差別というか毛嫌いか何かでしょうね。
当時は今以上にポルトガル語がちんぷんかんぷんだったので「中国人」という単語しか拾えませんでしたが、嫌なことを言われているのだけはわかりました。でも「中国人じゃないからなぁ」とスルー。。
むしろポルトガル語がわからなくてよかったかも。
車の窓ガラスに唾を吐かれ…。
私が暮らすのはアジア系の中でも特に日系人が多く住んでいるエリア。日本食材を売るお店や日本食を扱うレストランも多くあるような場所です。
とある日、車で外出し、まもなく家に着くかな〜という曲がり角。車のスピードを落としての走行中に被害に遭いました。車の窓ガラスに唾を吐かれたのです…。
ブラジルでは、車は左ハンドルで車道の右側を走ります。つまり、助手席は歩道側にあります。おそらく歩道を歩いていた人にペッと唾を吐かれたのでしょうね…。
鳥のフンかな?
はじめはそう思ったんです。
しかし、窓ガラスは垂直なので鳥のフンがべったりと付くことは考え難い…。よくよく見ると痰混じりの粘性があるものだったので(汚くてすみません)鳥のフンではないことがわかりました。
車の前方には犯人らしき姿はなく。ペッとして後方へ逃げたのではないかと推測。
ショックで状況把握するまでに少しロスっちゃった…。
犯人の姿を確認する前に車は角を曲がってしまいましたが、見なくて正解だったかもしれません。見ていたらもっと怒り心頭していたかもしれないし、運転していた主人も「見てたら喧嘩してた」と言っていたので。(喧嘩はやめてー!)
犯人の姿も見てないし、アジア人差別というのは被害妄想かもしれないけどね。
ブラジルでは運転中の車中でも注意が必要
ブラジルでは走行中の車であっても、外から車中に手を伸ばされスマホなどが盗まれるということがあるのです。領事館から届く邦人被害のメールでもこのようなケースは決して少なくありません。
日本ではちょっと考え難いよね。
そのため、普段から走行中(私は助手席)であっても、外から手を入れられないように少ししか窓を開けません。全開であれば窃盗の恐れも高まりますし、今回のように唾を吐かれたりしたら精神的苦痛も相当なものですからね。
改めて、「ここは日本じゃないんだ」と。平和ボケしていてはいけないな、と思わされた出来事でした。途中汚い話ですみませんでした。