蚊を媒介として感染する病気にはデング熱、ジカウイルス感染症(ジカ熱)、黄熱。加えて、日本脳炎やマラリアなどがあります。
これらは主に南米や熱帯地域を中心として発生する感染病ですが、デング熱に限っては数年前に日本国内でも感染が確認され、騒がれたことがありましたよね。
さて、筆者はそんな感染危険地域の一つである南米・ブラジルへと移住し、現在サンパウロに住んでいます。
ここでは「黄熱病」に焦点を当て、移住する際に調べた予防接種やワクチンパスポートについても紹介していきます。
「黄熱病」はどんな病気?
冒頭でも触れましたが、黄熱病は蚊に刺されることで感染を引き起こす病気の一つです。
でも、日本では少し馴染みが薄いかもしれませんね。
黄熱病ってこんなのだよ。
感染経路
ウイルスを保有する蚊(主としてネッタイシマカ)に刺されることで感染します。
引用元:厚生労働省関西空港検疫所
症状
急激な発熱や頭痛、悪心・おう吐で発症し、3~4日後に軽快、自然治癒することもありますが、重症例では黄疸や腎不全、出血症状をきたし、致死率は20~50%です。
引用元:厚生労働省関西空港検疫所
世界各国の黄熱情報はこちらから確認できます。
ここサンパウロ州も…
黄熱に感染する危険のある国です。
とのこと。
以下の地域に渡航する、生後9か月以上の渡航者に、黄熱の予防接種が推奨されています。
アクレ(Acre)州、アマパ(Amapa)州、アマゾナス(Amazonas)州、首都ブラジリアを含む連邦直轄区(Distrito Federal)、エスピリト・サント(Espirito Santo)州、 ゴイアス(Goias)州、マラニョン(Maranhao)州、マットグロッソ(Mato Grosso)州、マットグロッソ・ド・スル(Mato Grosso do Sul)州、ミナスジェライス(Minas Gerais)州、パラー(Para)州、パラナ(Parana)州、ピアウイ(Piaui)州、リオ・デ・ジャネイロ(Rio de Janeiro)州、リオ・グランデ・ド・スル(Rio Grande do Sul)州、 ロンドニア(Rondonia)州、ロライマ(Roraima)州、サンタカタリーナ(Santa Catarina)州、サンパウロ(Sao Paulo)州、 トカンティンス(Tocantins)州の全域。
引用元:厚生労働省検疫所
バイーア(Bahia)州の指定地域。イグアスの滝。
ブラジル渡航する人に推奨される予防接種
ブラジル渡航の予定がある人はこれらの予防接種が推奨されています。
受けておきたい予防接種:
黄熱、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、(狂犬病*1)
引用元:FORTH
*1:犬や野生動物との接触が予想される場合には推奨
「推奨」とは書かれていますが、これを読んだら「必須」とも見えてくる不思議…。
ブラジルに行く前に接種しなきゃいけないのかな…
健康や安全を考えるとそうなのでしょうが、会社や企業を通してではなく個人で受けるもんですからもう…お財布に優しくなくて唖然としましたね。
移住前に調べた予防接種についての記事だよ。
黄熱予防接種証明書「イエローカード」
ブラジルでは黄熱然り、他の予防接種ももちろん受けることができます。
しかも無料で!
なので、諸々はブラジルで無料で接種できたらいいかなと思い、筆者は黄熱だけを移住前に接種することにしました。
そして接種すると、このような予防接種証明書が交付されます。
「イエローカード」って言うよ!
正直、ワクチンの金額(総額)に凹んでいました。
接種する場所(会場)によって多少前後しますが、1回の接種で12,000円くらいしますからね。(接種当時)
今となっては「この金額で生涯有効の証明を手にすることができたんだから安いもんだ!」とさえ思えるように。
若干言い聞かせかもしれないけど(笑)
ブラジル人である主人はブラジルで、無料で接種したそうですからね。
やっぱりそれを聞くと腑に落ちませんね。
なんで日本はこんなに高いんだろうか…。
ブラジルでの黄熱流行に伴うパラグアイ出入国規制
海外在住組は外務省のたびレジに登録するように言われますね。
これに登録すると住んでいる地域でのデモ情報や感染病など、様々な安全情報がメールで届きます。
2019年6月6日付け、在サンパウロ日本総領事館から届いたメールを一部転載しますね。
ブラジルでの黄熱流行に伴うパラグアイ出入国規制
・5月10日以降,パラグアイの出入国審査におけるイエローカード提示義務の対象が,ブラジル21州からの来訪者及び同21州への渡航者に拡大されました。
・パラグアイのほか複数の国でも,ブラジルから入国する渡航者に対し,イエローカードの提示を求め,同カードを所持していない場合,入国できないケースがありますので,御注意ください。
引用:在サンパウロ日本総領事館から届いたメール
パラグアイはブラジルの隣国。
ブラジルはとても大きな国なので、10ヶ国もの国と接しています。
「隣国」といっても地図がパッと思い浮かびません…(笑)
とある日の主人との会話。
次はどこに旅行する?
ペルー? チリ? アルゼンチン? それともパラグアイがいいかなー?
日本からだとどれも遠い国ですが、日本でいうところの東南アジア的な感覚になるのかな。
ブラジルに住んでいるからこそ挙がる旅の候補地!
厚生労働省検疫所のサイトを確認すると、世界遺産であり世界三大瀑布である「イグアスの滝」についてもこのような注意書きがありました。
※イグアスの滝に行く渡航者には黄熱の予防接種が推奨されています。
引用元:厚生労働省検疫所
というわけで、イグアスの滝へ旅行に行った際にはイエローカード(予防接種証明書)を持参。
いわゆるワクチンパスポートですね。
空路入国ではおそらくイエローカードの提示も求められるのではないかと思いますが、陸路で入国した際には何も提示することなく入国できてしまいました。
イエローカードだけでなく、パスポートですらノーチェック!
そりゃ治安も悪くなりますよね。。(苦笑)
まとめ
怖い怖いとは言いつつも、なかなか完全には防ぐことができなそうな蚊の被害。
少しでも日頃から虫除け対策をして過ごすしかありませんね。
我が家で行っている虫除け対策はこんな感じです。